コンスタンティン・キシンがブラック・ライブズ・マター (BLM) を支持しない理由

私がよく見るポッドキャスト番組の1つに『TRIGGERnometry』という番組があります。司会はコンスタンティン・キシンとフランシス・フォスター。2人ともイギリス人コメディアン。キシンはロシア出身、フォスターは母親がベネズエラ人でベネズエラで暮らした経験あり。つまり、共産主義(または、その名残)を経験しているというわけです。


最近のブラック・ライヴズ・マター (BLM) の抗議運動についてキシンは懐疑的で、いろいろと発言しています。その中から2つほどご紹介します。

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まず、Talkradioという局のラジオ番組のインタビュー。聞き役はジュリア・ハートリー=ブリュワー。彼がBLMを支持しない理由について。



(翻訳ここから)

人々は本当に怖がっている。多くの人がプライベート・メッセージを送ってきて、「あなたの論点に完全に同意するが、それを公言すれば私は職をクビになってしまう」と言っている。


ラジオ番組の司会者が、「『白人の特権』というのが正しい方向性なのか」と疑問を呈しただけで番組を降ろされた。この問題について熟考しようとすれば、自動的にレイシストと非難される。ここは明確にしておこう。今起きていることに同意しない、または支持しない黒人はたくさんいる。


しかし、彼らの声はメインストリーム・メディアでは伝えられない。メインストリーム・メディアがやっていることは、反論を許さないということ。誰からの反論だろうが関係ない。はっきりさせておこう。黒人の命は大事だと誰もが思っている。警察の暴力は許容できないと誰もが思っている。


ジョージ・フロイドの死は惨たらしい殺人だと誰もが思っている。犯人は、法の許される範囲において裁かれるべきだと思っている。二度とこんなことは起きてはならないと思っている。しかし、BLM(ブラックライヴズマター)という組織についていえば、ぜひ皆さんにBLMのWebサイトに行って、彼らの掲げる目標を見てほしい。核家族の廃止、資本主義の廃止、警察の廃止。家族や警察の廃止など、私たちの社会の基本原則を廃止することを支持しなければレイシストになるのであれば、私たちのほとんどがレイシストになるのではないか?

(翻訳ここまで)


ただし、キシンによると、BLMのウェブサイトがここ一日ぐらいで更新されたそうで、以前は目標がいくつもリストアップされていたのだが、それが削除されたのだそうです。



それから、もう1つ。彼のツイッターの連続投稿を翻訳してみました。一部は過激化もしたBLMの抗議活動を受けて、イギリスの政治状況がどのように変わるのかを予測するツイート (スレッド) です。



(翻訳ここから)

こんなことを書く私をあなたは嫌うだろう。私が言うことに抵抗するだろう。それが本当であってほしくないと思っているからだ。本当だと思いたがっているのは私の方なんだと、あなたは思い込もうとする。こんなことになったのを何よりも嫌っているのは私なのに。


これから次のようなことが起こる。


抗議活動をしている人たちがチャーチルの像を穢したり、慰霊碑の上で英国国旗を燃やしたりし続ければ、それらを守ろうとする集団が形成される。こうした集団を構成するのは、主に怒った若い白人の男たちだ。それを率いるのは、イングランド防衛同盟やトミー・ロビンソンにつながる人たち。これはすでに発生している。


こうした集団は、”国を守る” ために都市中心部に集まる。その名前には、”愛国” “ブリティッシュ” “防衛” などの言葉が入っている。


現在の抗議者や警察と彼らが衝突するのは避けられない。メディアや政治家からの圧力により、警察は過剰に反応する。彼らに対する警察の取り扱いは、BLMの抗議者とは異なる。実力行使するだろう。ロックダウンを破ったということで拘束するだろう。厳しい判決を下すだろう。


メディアは、BLM の抗議者に対してしたこととは反対のことをこの集団に対して行う。「大方において平和的に行われた抗議で、27人の警官が負傷した」と書くかわりに、「極右の暴力で27人の警察が負傷した」などといった見出しで一面に大きな記事を出すだろう。


この時点で、一般市民の大部分は微妙な文脈を読み取る力を失う。ダブルスタンダードは無視できないほど明白になる。既に行われているように、白人がひざまずき、PoC(有色人種)の足を洗い、公開で謝罪する映像/画像が絶え間なく流れ、それによって一般市民は彼らのアイデンティティそのものが攻撃されていると結論付ける。


この時点で、荒っぽい極右集団を嫌悪するという分別は失われる。人々は生存を賭けて戦っているのだと思い込み、極端な手段が正当化される。


経済不況による大量失業に突き動かされ、次の選挙は早い時期に起こる可能性が高い。その選挙では、極右政党が躍進する。移民コントロールを議題にするような、極左が呼ぶところの “極右” のことを言っているのではない。移民や国外退去の政策を逆戻りさせようとするような本当の極右政党だ。


こうした政党は多くの議席を得ることはないだろうし、政権に近い存在になることもないだろう。しかし、彼らはUKIPがやったようなプレッシャーを保守党に与える。ボリス・ジョンソンは、弱くてリベラルすぎるとして引きずりおろされ、法と秩序を重視する強硬派の政治家に取って代わられる。


ここから先は、残念ながら、何が起こるか明白だ。


これを防ぐ唯一の方法は、社会を再び人種主義化しようとする動きを押し戻すことだ。共に生きることを学ばなければ、多民族社会という考えそのものが終わってしまう。

(翻訳ここまで)


誰もがレイシズムに反対だが、だからといって、誰もがBLMを支持しなければならない、ということではない。BLMは、名前からもわかるように、あまりにも人種主義的すぎる (人種にフォーカスしすぎている、アイデンティティに固執しすぎている) と考える人もいるだろう。そして、社会を人種主義的にすることは、必ずしもレイシズムの解決にはつながらない。

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「タッカー・カールソン・トゥナイト」に出演したヘザー・マクドナルドの発言を訳しました

前回の投稿では、ヘザー・マクドナルドがウォール・ストリート・ジャーナル紙に書いた記事、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました。


ヘザー・マクドナルドは、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)の著書もある、マンハッタン・インスティチュート(保守系シンクタンク)のフェローです。


彼女が6月4日の「タッカー・カールソン・トゥナイト」(Fox News)に出演してコメントしていました。簡潔にまとまっていたので、これもまた以下に訳してみました。


www.youtube.com


(翻訳ここから)

(0:29)マクドナルド: これ(警察に組織的な偏見があるというナラティブ)は、嘘であり、危険なナラティブだ。今から振り返って考えれば、2015年と2016年には、世情不安や市民の暴動は全米で最低限しか発生しなかった。しかし、殺人の犠牲となった黒人男性は2000人も増えた。なぜなら、警察が警察活動を弱めてしまったからだ。現在、犯罪数は急上昇し、警官も殺されている。殺される警官は今後も増えるのではないかと懸念されている。


警察が警察活動を弱めたとき、警察予算を削減したとき、最も被害を受けるのは誰か? いや、予算を削減する必要すらなく、警察のさまざまな活動が非合法化されている。街なかで罪のない子供を銃で殺すギャングや犯罪者を逮捕するとき、警官に向けられる憎悪は凄まじい。それによって被害を受けるのは、法律を守りながら都市に住む数多くの住民だ。


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彼らは警察による保護を切望している。ブロンクスのマウント・ホープに住むある人、この人は癌で手足の一部を切断しているのだが、彼女はこう言った。「神よ。警官をもっと送り込んでくれ。住んでいる建物のロビーに危険を感じずに行けるのは、警官の姿が見えるときだけ」。警官がいなければ、薬物やマリワナを売る不法侵入の若者がたむろしているからだ。


サウス・ブロンクスの第41管区に住む高齢の女性はコミュニティ・ミーティングで立ち上がってこう言った。「警官の姿を見るのはなんと素敵(Lovely)なことか。警官は私たちの友人」。


メディアはこうした声をわざと伝えない。これらの声を伝えると、この国の警察には組織立ったレイシズムと白人優越主義が存在するというでっちあげのナラティブが壊れてしまうからだ。


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タッカー: 「でっちあげ」が生やさしい言葉に聞こえる。扇動家やテレビはこう言っている。扇動家と言っても選挙で選ばれた人々、国を動かす人々だ。「大虐殺が起きている。警察からアフリカ系アメリカ人への終わりなきレイシスト・アタックが次々と起きている。多くの人が死んでいる」。2019年には(警官に殺された非武装の黒人は)10人だけ。事実の裏付けはまったくないのに、彼らはなぜそんなことを言えるのか。


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マクドナルド: 皮肉なことに、このデータはワシントン・ポスト紙のデータベースによるもので、非武装の定義も非常に広義のものが採用されている。しかし、同紙はこのことを書かない。興味深いデータをもう1つ。警官が黒人男性に殺される可能性は、非武装の黒人男性が警官に殺される可能性の18.5倍もある。


犯罪や警察活動についてさまざまなデータがあるが、どの犯罪であっても犯罪率によって黒人を人種的にステレオタイプで見るべきではないし、1件の逮捕が恐ろしい結果につながったからといって、警官をステレオタイプで見るべきでもない。


警官は戦術的なトレーニングを切実に必要としているし、緊張の段階的緩和やコントロールについて支援を必要としている。しかし、警察には組織的な偏見は存在しない。

(翻訳ここまで)


上の動画が消されたときのために、予備にもう1つ動画を貼っておきます。同じ番組の動画ですが、こちらの方が長くなっています。


www.youtube.com


2020年6月10日追記:

「警官が黒人男性に殺される可能性は、非武装の黒人男性が警官に殺される可能性の18.5倍もある」というマクドナルド氏の発言について、18.5倍というのはどこから導き出されたのか、という質問をTwitterで頂きましたので解説します。


マクドナルド氏の説明によると、2015年に警察に射殺された非武装黒人男性は36人。全米の黒人男性の人口は1900万人。よって割合は0.0000018%。殺された警官は52人。警官の総数は628000(2014年)。したがって、割合は0.000082%。2015年の警官殺害犯に黒人が占める割合は40%と推定(過去の統計から概算)。そうすると、割合は0.000033%になる。そして、0.000033%は、0.0000018%の18.5倍、という計算とのことです。下のリンクに詳しい説明が書かれています。


www.manhattan-institute.org



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WSJ紙の記事「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました

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ミネアポリスで黒人男性が警官に圧死させられた事件に関連して、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」(The Myth of Systemic Police Racism)という記事が、6月2日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のオピニオン欄に掲載されました。

www.wsj.com


書いたのはヘザー・マクドナルド氏。彼女はマンハッタン・インスティチュートという保守系シンクタンクのフェローで、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)という著書もあります。


黒人男性を死に至らしめた警察官の責任は追及されるべきだが、黒人に対する「制度化された差別」が警察に存在するというのはまったく根拠のない話である、という主張です。


以下に翻訳しました(約2000字)。


(翻訳ここから)

『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話
文: ヘザー・マクドナルド
2020年6月2日

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2019年、1004人が警察によって射殺された。そのほとんどが武装していたか、危険な人物だった。昨年、警官によって殺された人のうち、アフリカ系アメリカ人が占める割合は約4分の1 (235人)。この割合は、2015年以来、変わっていない。警察による銃撃は、武装した容疑者や暴力的な容疑者に警官が直面する事例の数に比例するが、黒人の犠牲者の割合は、黒人の犯罪率から予想されるよりは低い。現在入手可能な最新データである2018年の数字を見てみると、特定された米国の殺人犯の53%、強盗犯の60%がアフリカ系アメリカ人である。アフリカ系アメリカ人が全人口に占める割合は13%に過ぎない。


ワシントン・ポスト紙のデータベースによると、2019年に警官が射殺した非武装の黒人は9人、非武装の白人は19人。それぞれ、2015年の38人と32人から減っている。同紙が採用する「非武装」の定義は広義のものであり、警察とのカーチェイスの間、弾を込めた銃を車内に保持していたニュージャージー州ニューアークの事件も「非武装」として扱われている。2018年、殺人の犠牲となった黒人は7,407人。昨年もほぼ同じ数だったと仮定すれば、警官に射殺された黒人犠牲者の9人が2019年に殺されたすべてのアフリカ系アメリカ人に対して占める割合は0.1%ということになる。これとは対照的に、警官が黒人男性に殺される確率は、非武装の黒人男性が警官に殺される確率の18.5倍である。


メモリアル・デイの週末(5月の最後の週末)、シカゴだけで10人のアフリカ系アメリカ人がドライブバイ・シューティング(走る車の中から相手を狙撃する犯罪)により殺された。こうした暴力が日常的に続いている。5月29日、シカゴに住む72歳の男性は、顔面に銃撃を受けて死亡した。ガンマンが12発の銃弾を住居に撃ち込んだのである。その数時間前、駐車した車の中にいたサウスサイドの19歳の女性2人が射殺された。同じ日、16歳の少年は、彼自身が所有していたナイフで刺し殺された。先週末だけで、80人のシカゴ市民がドライブバイ・シューティングで撃たれ、そのうち21人が命を落とした。被害者の大部分は黒人だった。白人とヒスパニック系を合わせたよりも、黒人が殺人で死ぬ可能性が8倍も高いのは、警官に撃たれるからではない。犯罪者による暴力がその理由だ。


警察に組織立った偏見があるという主張を揺さぶる調査結果はいくつも出ているが、その最新のものは2019年8月に発表された全米科学アカデミーの紀要である。どの人種集団であるかを問わず、警官が暴力的な容疑者に直面する機会が増えるほど、その集団に属する人が警官に射撃されて死亡する可能性も高くなる、という調査結果である。研究者たちは、「警察に銃撃されて命を落とす可能性において、反黒人の不均衡が存在するという有効な証拠は見つからない」と結論付けている。


2015年に発表されたフィラデルフィア警察に関する法務省の分析によると、白人の警官が丸腰の黒人容疑者を撃つ可能性は、黒人やヒスパニック系の警官より低い。ハーバード大の経済学者であるローランド・G・フライヤー・ジュニア (Roland G. Fryer Jr.)も、警官の銃撃において人種差別の証拠はないとしている。これとは逆の結論を指し示す証拠はすべて、犯罪率や、警察と接触する前、または接触する間の市民の行動を考慮に入れていない。


オバマが大統領だった時代、警察に組織立った偏見があるという嘘のナラティブが、警官を標的とした殺人という結果につながった。このパターンが繰り返されるのかもしれない。銃を持った容疑者を逮捕しようとするときや、数を増す暴徒に対応しようとするとき、警官は襲われ、撃たれている。警察管区や裁判所は、何の咎めも受けることなく破壊されてしまった。これにより、社会を破壊する暴力はさらにエスカレートするだろう。マイノリティが住むエリアで警官が警察活動を緩めてしまうというファーガソン効果(注1)がミネアポリス効果として生まれ変わるのであれば、基本的な治安を警官に頼っている順法精神に富む数多くのアフリカ系アメリカ人がまた犠牲者となるだろう。


ジョージ・フロイドを逮捕したミネアポリスの警官たちは、過剰な実力行使と彼の苦痛に対する無慈悲な無関心さについて、責任を問われなければならない。 警察の訓練では、緊張の段階的緩和戦略をさらに徹底的に教える必要がある。しかし、フロイドの死は、アメリカの法執行機関の正当性を貶めるものであってはならない。彼らがいなければ、私たちは混沌への道を歩み続けるからだ。


注1: 2014年にミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンという黒人男性が警官に射殺された。これにより警察への不信感が高まった結果、警察は警察活動に消極的になり、その結果として犯罪率が上がった、とする考え方。


(翻訳ここまで)


同様のテーマについてヘザー・マクドナルドが語る動画『警察はレイシストか?』も、先日たまたま翻訳しましたので、ご興味のある方はこちらからどうぞ。
togetter.com


こちらは、ミルウォーキー郡で保安官を務めたデビッド・クラーク氏の動画「警官はグッド・ガイ」。
togetter.com


また、別のテーマについて語るヘザー・マクドナルドの動画を3つご紹介します。いずれも、「多様性」の名の元に学問の自由が失われているというテーマの動画です。
togetter.com

togetter.com

togetter.com


2020年9月19日追記:
ヘザー・マクドナルドの新しい動画の訳を追加します。

togetter.com



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ジョージ・フロイド氏が警官に圧死させられたのは、「制度化された差別」の結果なのか

ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイド氏が警官に取り押さえられた後、約10分にわたって膝で首を押さえつけられ圧死しました。その後、全米各地で抗議運動が発生し、その一部が暴徒化したことはご存じのとおりです。

動画を見る限り、私も警官の責任は追及されるべきだと思いますが、これが白人の黒人に対する、または警官の黒人に対する「制度化された差別」なのだというナラティブにはにわかには賛成しかねます。

そこで、今回も米国の大学院で学ぶザック・ゴールドバーグ氏のツイートを引きながら、反証となるデータを提示したいと思います。


2020年2月28日、シカゴでアリエル・ローマンという白人の男が黒人の警官に撃たれた。どうもシカゴでは地下鉄の車両を移るのが禁止らしいのだが、そのことで咎められ、逃げ出したところをいったんは取り押さえられた。だが、再び逃げ出し、腹と尻を撃たれた。命はとりとめた。武器は持っていなかった。


ProQuest というデータベースによれば、2/28以降、この事件に関する新しい記事は30件。


ジョージ・フロイド氏が警官に押さえつけられて死亡したのは今週の月曜。ProQuest によれば、新しい記事は1,338件。


ローマン氏の家族が募った寄付に集まったのは$1,718。一方のフロイド氏は約260万ドル。


ローマン氏は命をとりとめたのが記事/寄付金が少ない理由かもしれない。だが、4年前に警官(白人)に射殺されたダニエル・シェーバー氏(白人)の場合はどうか。約10万ドル。


同じくほぼ4年前に警官に圧死させられたトニー・ティンパ氏(白人)の場合、ProQuest で見つかる記事は30件。被害者の人種によって反応が大きく違うのがわかる。

また、ゴールドバーグ氏は、ロナルドG. フライアー・ジュニア氏という学者の論文を引いて、次のようにも論じています。


1) 黒人が警官に銃で撃たれる可能性は実際には白人より低い。2) 武器を持っていない白人を撃つ可能性は、黒人の警官の方が白人の警官より高い。


致死的ではない実力行使(蹴る、スプレー/警棒の使用など)を受ける可能性は、(受ける側の)人種によって違いがあったが、警官の人種には関係なかった(つまり、黒人の被疑者にこうした実力行使を行う可能性は、警官が白人でも黒人でも変わらなかった)。

さらに、こういうデータも紹介しています。


2018年以降、警官に殺された丸腰の黒人の数は、黒人に殺された警官の数より少ない。


警官を殺した犯人の人種に関する統計。絶対数としては白人に殺された警官の方が多いが、黒人は全人口の13%であることを考えると、割合としては黒人の方が高くなる。しかも、この統計の「白人」にはヒスパニック系も含まれる。

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「18-29歳の白人リベラル層の半分近く(45.9%) は、過去に医師/医療従事者に精神疾患だと診断されたことがある」というデータ

ピュー・リサーチ・センター (Pew Research Center) の調査データを使用して、ザック・ゴールドバーグという名の大学院生が投稿したツイートが興味深かったのでご紹介します。この方は、社会正義について意識の高い人々について研究をしているそうです。

彼によれば、18-29歳の白人リベラル層の半分近く(45.9%) は、過去に医師/医療従事者に精神疾患だと診断されたことがあるそうです。同年代の中道は25.3%、保守は20.9%なので、白人リベラル層は明らかに高い数値を示しています。

ゴールドバーグ氏「私の関心事の1つは、リベラル派による社会改造や規範推進の取り組みは、それらが情緒的に脆弱な人や特定の人格プロフィールを持つ人に向けられたもののように見えるということだ。別の人格プロフィールを持つ人や情緒的に安定している人は、単に黙々と対処するのではないか」

ゴールドバーグ氏「私は白人リベラル層や、その精神疾患の高さを揶揄するためにこのスレッドを書いているのではない (あなたもそうすべきでない)。これは、あまり研究されてない領域であり、様々な社会政策に対する態度の違いにヒントを与える可能性があるのではないか (と考えて書いた)」

また男女別の内訳をみてみると、白人リベラル層18-29歳では、女性が 56.3%、男性が 33.6% と、男女差は大きく開いています。

ただし、ゴールドバーグ氏はこういう注意書きも付けています。「精神疾患診断の差は、単純に、または部分的に、白人リベラル層がメンタルヘルスの相談をする可能性が高いからかもしれない。この問いに答えるデータを私はもってない」

また、一番上のツイートの図からもわかるように、リベラル派以外でも、精神疾患と診断されたことのある人の割合が日本に比べて随分高いことがわかります。これは、アメリカの方が日本に比べて精神疾患と診断される基準が非常に緩い、ということだと思われます。

これについては、「更科わさび」さんという方が追加情報を入れてくれていますので、ご参照ください (スレッドになっています)。


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退院後に行ったボリス・ジョンソン首相のスピーチを訳してみた

イギリスのボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染し、一時は ICU に入る事態となりましたが、4月11日に無事退院。翌日の12日、イースター・サンデーにスピーチを行いました。5分ほどのスピーチの全文を訳しました。



(翻訳ここから)
こんにちは。一週間たって、今日、退院することができた。NHSが私の命を救った。異論は認めない。どれだけ恩義を感じているか、言葉を見つけるのは難しい。でもその前に、イギリスのすべての人に感謝したい。皆さんの努力と犠牲についてだ。

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太陽が出ている。子供は家にいる。自然界はこの上なくラブリーで、外はとても心地よさそうだ。ソーシャル・ディスタンスのルールに従うのがどれほど難しいか痛いほどわかる。


私は感謝している。全国津々浦々の何千万もの人々が正しいことをしているからだ。数えきれない人が自己隔離という困難な体験をしている。忠実に、我慢強く。自分だけでなく他の人のことを思いやりながら。イースター・サンデーのこの日、皆さんの取り組みには意義があり、毎日の結果につながっていると私が心から信じていることをわかっていただきたい。

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私たちは毎日、数多くの人々がこの世を去っていくのを悼んでいる。そして、この戦いはけっして終わってはいない。それでも、コロナウイルスに対するこの途方もない国民的なバトルにおいて、私たちは着実に歩を進めている。


この戦いは私たちの方から仕掛けたわけではない。敵をまだ完全に理解できているわけでもない。その戦いにおいて、私たちは着実に歩を進めている。なぜなら、イギリスの市民たちが、この国の最も偉大な国民的資産、すなわち国民医療サービス(NHS)の周りに人間の盾を築いたからだ。


力を合わせてNHSを守り抜けば、そして、NHSが機能不全に陥るのを防ぐことができれば、私たちは敗れ去ることはないことを理解した。そう心に決めたのだ。この国は、一致団結して立ち上がり、このチャレンジを克服するだろう。過去にも数多くのチャレンジを克服してきたのだから。

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この7日間、NHSにのしかかっているプレッシャーを私はもちろんこの目でみた。個人の勇気を目の当たりにした。医師や看護師だけではない。清掃人、料理人、あらゆる種類の医療従事者たちだ。物理療法師、放射線技師、薬剤師。来る日も来る日も出勤し、危険に立ち向かい、この致死的なウイルスによるリスクに身をさらしている。

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私たちのNHSが不屈なのは、こうした勇気、献身、責任感、愛があるからだ。私自身の感謝の気持ちを、非の打ちどころのない医師たち、各分野のリーダーたちに捧げたい。男性も女性もいた。


そして、どういうわけかニックという同じ名前を持つ何人かが数日前に非常に重要な決断を下した。残りの人生において、私はこの決断のありがたさを意識し続けるだろう。私は数多くの看護師たちに感謝したい。男性も女性もいた。彼らの看護はすばらしかった。

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言い忘れる名前があるかもしれないので許してほしいが、ポー・リング、シャノン、エミリー、エンジェル、コニー、ベッキー、レイチェル、ニッキ、そしてアンに感謝する。そして、特に2人の名前を挙げることを彼らにお許し願いたい。


彼らは、私が生きるか死ぬかの瀬戸際に、ベッドのそばに48時間ずっといてくれた。その2人とは、ニュージーランド、正確に言えば南島のインバカーギル出身のジェニー、そしてポルトガルのポルトの近くの町から来たルイスだ。


私の身体が十分な酸素を取り込めるようになった理由は、彼らが夜通し私を看ていてくれたからだ。彼らは知恵を絞り、介護し、必要な介入を行った。だからこそ私は知っている。この国のいたるところで、1日24時間、一秒たりとも休むことなく、数えきれないほどのNHSスタッフが、ジェニーやルイスと同じようなケア、心配り、正確さを提供しながら働いている。


それが、私たちが協力してこのコロナウイルスを倒せる理由だ。私たちは勝つ。なぜなら、NHSがこの国の心臓の役割を果たしているからだ。NHSはこの国の最良の部分だ。NHSはけっして屈しない。NHSは愛が動かしている。

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私から、そして私たち全員から、NHSに感謝しよう。ソーシャル・ディスタンスのルールを守ることを忘れないで。家にいよう。NHSを守ろう。命を救おう。ありがとう。そして、ハッピー・イースター。
(翻訳ここまで)


英文スクリプト: ↓
www.rev.com


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タラ・タイガー・ブラウンなる人物とCNNのウィル・リプリー記者

3月にエチオピアで新型コロナウイルス感染者が確認され、そのうち3人が日本人だったという報道があった。

 

www.theeastafrican.co.ke

 

すると、タラ・タイガー・ブラウン (@tara) と名乗るツイッター・アカウントがShameful、Disgustingなどの強い言葉で日本を非難。3人はJICA職員なのだが、彼女は呑気な旅行者だと勘違いしたらしい。

 

f:id:tarafuku10working:20200407072420p:plain
彼女は日本に在住(または一時的に滞在)しているようで、新型コロナウイルスに対する日本のリベラルなアプローチが気に入らず、より強権的なアプローチを求めているようだ。タイムライン/プロフィールを見ると、リベラル陣営にどっぷり漬かってらっしゃるようにお見受けするが。

 

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プロフィールに書かれた肩書を翻訳すると「環境技術者、STEAM教育者、森林医療実践者、山の僧、@KitHubのCEO」。STEAMというのは、理系科目 (STEM: Science, Technology, Engineering, and Mathematics) を芸術(A: Art)を通して学ぶメソッドとのことだそうだ。

 

このツイートをたまたま見かけた私が事実を伝えたところ (ツーリストでなくJICAのワーカー、2人は現地で活動、最初に病気になった1人もまだ危険がそれほど叫ばれていなかった2/22に日本発)、いきなりブロックしてきた。元のツイートに問題があることは理解できたらしく、現在は何の説明もなくしれっと削除している。

 

 

 

f:id:tarafuku10working:20200407072531p:plain


@tara 氏のツイートは「障子にメアリー」さん (@shojikneemary) のツイートで知ったのだが、メアリーさんも事実を突きつけたらブロックされたそうだ。私もメアリーさんも別に汚い言葉を使ったわけではない。このあたりがリベラル/左翼のダメなところを煮しめたようで面白い。一言で言えば独善性である。

 

 

 

正確な情報を確認せずに自分のナラティブに沿うように都合よく解釈して強い口調で糾弾。反論、または真実を突きつけられたら無言でブロックして封殺。自分の過ちは無言で削除して存在を消す。ツイートの最後に「エチオピアの平均月収は$100」などと付け加え、リベラル仕草することだけは忘れない。

 

タラ・タイガー・ブラウン氏は、日本のコロナ対策について扇情的で不正確なレポートをするCNNのウィル・リプリー氏 (@willripleyCNN) とも面識があるらしく、リプー氏は彼女の写真を使ってツイート。また、彼女もリプー氏に対し"We need you!" "Thank you for all your hard work"などとレスしている。

 

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リプー記者の不正確なレポートというのはこちら。

 

 

 

レポートの中で日本人のワタナベ氏がインタビューに答えている。ウイルスの検査を受けるのに何日待ったかという質問に、ワタナベ氏は「2日目」と答えたのだが、リプー記者はなぜか「5 Days」と翻訳している。

 

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