モーリー・ロバートソン氏の PragerU (プレーガーユニバーシティ) 批判について

デニス・プレーガーというユダヤ系の保守言論人が主催する PragerU (プレーガーユニバーシティ) という YouTube チャンネルがあります。主にアメリカの保守系の論調や考え方に基づいて制作された動画を配信しており、その内容は、政治、経済、歴史、宗教など多岐にわたります。

 

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デニス・プレーガー

私は趣味で PragerU の動画を訳していて、動画に字幕を埋め込む作業のほか、Twitter にも文字起こしを投稿しています。

 

さて、1 年以上前になりますが、ジャーナリストのモーリー・ロバートソン氏が、ご自分のプレイボーイ誌の連載において、PragerU を辛辣に批判していました。その批判の仕方が、PragerU の保守系論客たちが批判する左派の行動とそっくりでおもしろかったので紹介します。

 

wpb.shueisha.co.jp

 ロバートソン氏はまず、トランプ大統領を支持する発言をした黒人ミュージシャンのカニエ・ウェストのことを「”ご乱心”」と描写します。”ご乱心” ですから、一時的にせよカニエが頭がおかしくなったというのです。

 

ロバートソン氏はこうも書いています。

「また、黒人差別の元凶が民主党にあると主張する動画も印象的です。民主党が歴史的に奴隷制を擁護してきたこと、白人至上主義団体KKKの創始者が民主党員であることなどを淡々と紹介していく。しかも、その解説役を務めるのが南部なまりの黒人女性の大学教授という"演出"つきです」

 

この女性は大学教授ですから知性のある人であることは間違いないと思うのですが、ロバートソン氏には、彼女が黒人であるという理由だけで、自分の考えをしゃべっているのではなく、演出でしゃべらされている、つまり操り人形に見えるようです。

 

上記のことから、ロバートソン氏は、左派的ではない考えを口にする黒人は、頭がおかしいか、操り人形だと考えている、もしくはそのように考えても差し支えないと思っていることがわかります。アメリカの黒人のことを、一人ひとりの個人ではなく、ある特定の考え方を持つべき集団だと見なしているのです。

 

もっと意地悪な言い方をすれば、ロバートソン氏の中には、黒人に自分で何かを考える能力はないどころか、黒人が何を考えるべきかは私たち左派が考えてやるから、黒人はそれに従っておけばいいのだ、ぐらいの意識が潜んでいるのかもしれません。

 

さて、私が訳した PragerU の動画はもちろん YouTube で字幕付きで見ることができますし(https://www.youtube.com/user/PragerUniversity)、文字起こしは Togetter にまとめられています。

 

私がお薦めの動画を 3 つ上げるとすると、ジョーダン・ピーターソンの「危険な人々が子供たちを教えている」、キャンディス・オーウェンズの「黒人カードを使う」、そして最後は私ではなく筑波大学の掛谷英紀先生が訳されたものですが、デイブ・ルービンの「私が左派を去った理由 (Why I Left the Left)」あたりでしょうか。

 

togetter.com

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