インターネットで調べる限り、はっきりした証拠は出てこなかったので、仮説として聞いてください。
このコインを製造して販売したのは、おそらくリヒテンシュタインにある CIT (Coin Investment Trust) という会社ではないかと思います。
この会社は、非常に美しい仕上がりのコイン/メダルを製作する技術があるようです。竹島コインに似た色付きのコインや、変形コインなど、さまざまな種類のコインを限定販売しています。
美しい仕上がりのコインというだけなら、それはメダルにすぎません。しかし、このビジネスの味噌は、タンザニア、中央アフリカ、パラオ、クック諸島など、産業の少ない国の政府/中央銀行に話を付けて、法定通貨として承認を受けていること。それが付加価値になっているのです。単なる美しいメダルより、どこかの国でほんとうに使える記念コインという方が、やはり箔が付きます。
CIT がこれまで販売したコインをいくつかご紹介します。
(1) 豪州のロックバンドAC/DC の記念硬貨: クック諸島 2 ドル: 約120円
(2) WWF のウミガメ: タンザニア 100シリング: 約5円
(3) WWF のパンダ: 中央アフリカ 100フランCFA: 約18円
次の写真は、竹島コインの裏面ですが、(2) のウミガメのコインの裏面と同じです。竹島コインの制作も CIT という会社でまちがいないと思います。
どのようなコインを発行するかは、CIT 独自で企画しているかもしれませんし、顧客からの持ち込み企画を受け付けているのかもしれません。たとえば、WWF のコインは、WWF から依頼を受けて、お金をいくらかもらって作ったかもしれませんし、逆にCIT が企画し、WWF に協賛金を支払って、WWFの名前を使わせてもらったのかもしれません。
竹島コインの場合は、おそらく韓国政府だか韓国人の有志かわかりませんが、誰かから依頼を受けて、お金をもらって作ったのではないかと思います。
昔 (今もかな?)、産業の少ない国は、きれいな観賞用の記念切手をたくさん発行して外貨を稼いでいました。このコイン・ビジネスも、法的通貨のお墨付き 与えることで、なにがしかのお金を CIT からもらっているのでしょう。
この仕組みなら、記念硬貨の額面がやけに低いのも頷けます。額面が高いと実際に使われてしまって、商取引の現場が混乱してしまいます。実際の額面より、Ebayなどでの取引価格がうんと高い方が都合がいいわけです。
最初にも書きましたが、CIT が竹島コインを発行したという確固とした証拠は出てきませんでしたので、上記はあくまでも仮説ということでお願いします。