tarafuku10 の作業場

たらふくてんのさぎょうば

2023-01-01から1年間の記事一覧

アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読みました

アビゲイル・シュライアーの『Irreversible Damage』を読んだ。ご存じの方も多いと思うが、先日KADOKAWAが翻訳本の出版をアナウンスしたが、抗議にあって短期間のうちに出版を取りやめたという本である。 私自身はシュライアーが原書の発売時におそらくプロ…

バフィー・セントメリー: 先住民の出自にまつわる疑惑

カナダの先住民・クリー族の血を引くと主張して過去60年にわたって活動してきたフォークシンガー/人権活動家の出自に疑惑の目が向けられている。10月に放映されたカナダの放送局CBCの調査報道番組『The Fifth Estate』によれば、彼女は白人の両親のもとにマ…

「日本の性交同意年齢は13歳」という半真実、というかデマをやっつける方法

「日本の性行同意年齢は13歳」という半真実 (half-truth)が欧米で広まったのは、伊藤詩織氏がヨーロッパの何か国かでテレビ番組に出演してレイプ被害を訴えた2018年からです。伊藤氏はそのインタビューの中で性をめぐる日本の状況について、事実と異なる、ま…

日本はジェンダーギャップ指数125位だとドヤる人に反論するための材料

日経新聞の対談記事(2023/9/3公開)で駐日英国大使のジュリア・ロングボトム氏がジェンダー平等の点で日本は英国に30~40年遅れていると感じると発言しました。 私も日本がジェンダー平等の点で完璧な国だとは思っていませんが、自分の国の価値判断を絶対視し…

デイビッド・マクニールが産経の古森さんをだまし討ちにした件

ずいぶん前の話になりますが、2006年にデイビッド・マクニールが産経の古森さんをだまし討ちでインタビューしたことがありました。 マクニールは英国インデペンデント紙の特派員として古森さんにコンタクトし、同紙の記事にするという約束でインタビューを行…

『ウォークネス―事務方主義の最高の段階としての』

マルコム・シユーネの『ウォークネス―事務方主義の最高の段階としての』を訳してみた。保守系シンクタンクのマンハッタン・インスティチュートが発行する雑誌『City Journal』の2022年春号に掲載されたコラム。 20世紀前半、アメリカの思想家であるジェーム…