八坂神社の騒動で渦中の人となった英国人ツアーガイド氏、TripAdvisor の口コミが元からとんでもなく酷い件
先月下旬に京都の八坂神社で起きた騒動が英国タイムズ紙の記事になった。私の印象としては、一方の当事者である英国人ツアーガイドを善良な被害者として描き、もう一方の当事者である京都在住の女性を悪役として描いた公平とは言い難い記事である。[魚拓][魚拓]
記事にはその英国人ツアーガイドのビジネスが繁盛していた(thriving)と書いてあるのだが、TripAdvisorのユーザー・レビュー (口コミ) を見てみると、八坂神社の騒動が起こる前からとんでもなく評価が低い。タイムズ紙の記事にはいろいろ言いたいこともあるのだが、ここではレビューの評価が低いという点に絞って書いてみたい。
TripAdvisor における彼の登録名は One Kyoto Tours だが、騒動前にそのページに投稿されたレビューで現在読めるものは 7 件。5件が最低点の星1つ。1件が最高点の星5つ。もう1件が星4つである。[魚拓]
星1つのレビューを以下に紹介する。すべて英語での投稿である (ツアーガイド氏は英語でガイドを提供している)。元の英語コメントの下に、参考として自動翻訳された日本語訳を添える。
1 投稿者: MrPudz91 [魚拓]
2 投稿者: Rainer K [魚拓]
3 投稿者: Klaid [魚拓]
4 投稿者: Road32215348055 [魚拓]
5 投稿者: GoPlaces825045 [魚拓]
星4つと星5つのレビューも参考までに掲載しておく。
6 投稿者: Marco O (この方はイタリアの方で、2段落目以降はイタリア語で投稿したようだ。日本語への自動翻訳があまりよくないようなので、英語への自動翻訳も載せておく)
7 投稿者: Shelley N
言うまでもないことだが、こうしたユーザー・レビューは個人の感想に基づくものである。TripAdvisorの方でも「この口コミはTripadvisor LLCのものではなく、メンバー個人の主観的な意見です。 トリップアドバイザーでは、投稿された口コミの確認を行っています。」という但し書きをつけている。
また、ユーザー・レビューの真実性にも注意が必要である。友人に頼んで自分のお店に好ましいレビューを書いてもらうことはあるだろうし、ライバル会社が事実に基づかない悪口を書いてくることがあるかもしれない。
そのレビューの信頼性を確かめるための1つの方法は、その投稿者の過去の投稿を確認することである。そうすれば投稿者が正直にレビューを書いているかどうかはかなりの程度判断できる。
今回、最低点をつけた5人の投稿者のうち、初めて投稿した人が4人である。初めて投稿したからといってその信頼性がゼロというわけではもちろんない。普段はレビューを書かないのだが、あまりにひどい扱いを受けたので書き込んだということもあるだろう。また今回の4人はかなり具体的に何があったかを書いてあるので信ぴょう性は高いと感じる。
残りの1人が最初に紹介した MrPudz91氏である。この人はこれまで10件のレビューを投稿している。そのうち星5つが2件、星3つが2件、星2つが2件、星1つが4件である。4月の日本旅行に限れば星5つが2件と星1つが1件である。レビューの内容からみてもこの方は正直な投稿者とみて間違いないだろう。[魚拓]
MrPudz91氏のレビューの中で気になるのは、ツアーガイドが知らないことを聞かれたときに防御的になると書かれている点だ。今回の八坂神社での一件も、女性に注意されたときにプロフェッショナルに対応すればよかったのに、防御的にふるまったせいで事態をこじらせてしまったのかもしれない。
最後に、One Kyoto Toursが実際にこのツアーガイド氏の事業名なのかという点だが、これが判明したのには以下のような経緯がある。一方の当事者である地元女性が動画をX (旧Twitter)に投稿してすぐ、One Kyoto Gallery というX アカウント (現在は削除済み) から抗議があった。そこから名前が似ているOne Kyoto Tours が浮かび上がり、GetYourGuide.com というツアーガイド紹介ページのプロフィール・ページ (現在は削除済み) からツアーガイド氏の本名が明らかになった。それは今回のタイムズ紙の記事に登場したツアーガイド氏の名前とも一致するので、One Kyoto Tours はこのツアーガイド氏の事業名とみて間違いない。
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