「タッカー・カールソン・トゥナイト」に出演したヘザー・マクドナルドの発言を訳しました

前回の投稿では、ヘザー・マクドナルドがウォール・ストリート・ジャーナル紙に書いた記事、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました。


ヘザー・マクドナルドは、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)の著書もある、マンハッタン・インスティチュート(保守系シンクタンク)のフェローです。


彼女が6月4日の「タッカー・カールソン・トゥナイト」(Fox News)に出演してコメントしていました。簡潔にまとまっていたので、これもまた以下に訳してみました。


www.youtube.com


(翻訳ここから)

(0:29)マクドナルド: これ(警察に組織的な偏見があるというナラティブ)は、嘘であり、危険なナラティブだ。今から振り返って考えれば、2015年と2016年には、世情不安や市民の暴動は全米で最低限しか発生しなかった。しかし、殺人の犠牲となった黒人男性は2000人も増えた。なぜなら、警察が警察活動を弱めてしまったからだ。現在、犯罪数は急上昇し、警官も殺されている。殺される警官は今後も増えるのではないかと懸念されている。


警察が警察活動を弱めたとき、警察予算を削減したとき、最も被害を受けるのは誰か? いや、予算を削減する必要すらなく、警察のさまざまな活動が非合法化されている。街なかで罪のない子供を銃で殺すギャングや犯罪者を逮捕するとき、警官に向けられる憎悪は凄まじい。それによって被害を受けるのは、法律を守りながら都市に住む数多くの住民だ。


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彼らは警察による保護を切望している。ブロンクスのマウント・ホープに住むある人、この人は癌で手足の一部を切断しているのだが、彼女はこう言った。「神よ。警官をもっと送り込んでくれ。住んでいる建物のロビーに危険を感じずに行けるのは、警官の姿が見えるときだけ」。警官がいなければ、薬物やマリワナを売る不法侵入の若者がたむろしているからだ。


サウス・ブロンクスの第41管区に住む高齢の女性はコミュニティ・ミーティングで立ち上がってこう言った。「警官の姿を見るのはなんと素敵(Lovely)なことか。警官は私たちの友人」。


メディアはこうした声をわざと伝えない。これらの声を伝えると、この国の警察には組織立ったレイシズムと白人優越主義が存在するというでっちあげのナラティブが壊れてしまうからだ。


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タッカー: 「でっちあげ」が生やさしい言葉に聞こえる。扇動家やテレビはこう言っている。扇動家と言っても選挙で選ばれた人々、国を動かす人々だ。「大虐殺が起きている。警察からアフリカ系アメリカ人への終わりなきレイシスト・アタックが次々と起きている。多くの人が死んでいる」。2019年には(警官に殺された非武装の黒人は)10人だけ。事実の裏付けはまったくないのに、彼らはなぜそんなことを言えるのか。


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マクドナルド: 皮肉なことに、このデータはワシントン・ポスト紙のデータベースによるもので、非武装の定義も非常に広義のものが採用されている。しかし、同紙はこのことを書かない。興味深いデータをもう1つ。警官が黒人男性に殺される可能性は、非武装の黒人男性が警官に殺される可能性の18.5倍もある。


犯罪や警察活動についてさまざまなデータがあるが、どの犯罪であっても犯罪率によって黒人を人種的にステレオタイプで見るべきではないし、1件の逮捕が恐ろしい結果につながったからといって、警官をステレオタイプで見るべきでもない。


警官は戦術的なトレーニングを切実に必要としているし、緊張の段階的緩和やコントロールについて支援を必要としている。しかし、警察には組織的な偏見は存在しない。

(翻訳ここまで)


上の動画が消されたときのために、予備にもう1つ動画を貼っておきます。同じ番組の動画ですが、こちらの方が長くなっています。


www.youtube.com


2020年6月10日追記:

「警官が黒人男性に殺される可能性は、非武装の黒人男性が警官に殺される可能性の18.5倍もある」というマクドナルド氏の発言について、18.5倍というのはどこから導き出されたのか、という質問をTwitterで頂きましたので解説します。


マクドナルド氏の説明によると、2015年に警察に射殺された非武装黒人男性は36人。全米の黒人男性の人口は1900万人。よって割合は0.0000018%。殺された警官は52人。警官の総数は628000(2014年)。したがって、割合は0.000082%。2015年の警官殺害犯に黒人が占める割合は40%と推定(過去の統計から概算)。そうすると、割合は0.000033%になる。そして、0.000033%は、0.0000018%の18.5倍、という計算とのことです。下のリンクに詳しい説明が書かれています。


www.manhattan-institute.org



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