ジョージ・フロイド氏が警官に圧死させられたのは、「制度化された差別」の結果なのか

ミネソタ州ミネアポリスで黒人のジョージ・フロイド氏が警官に取り押さえられた後、約10分にわたって膝で首を押さえつけられ圧死しました。その後、全米各地で抗議運動が発生し、その一部が暴徒化したことはご存じのとおりです。

動画を見る限り、私も警官の責任は追及されるべきだと思いますが、これが白人の黒人に対する、または警官の黒人に対する「制度化された差別」なのだというナラティブにはにわかには賛成しかねます。

そこで、今回も米国の大学院で学ぶザック・ゴールドバーグ氏のツイートを引きながら、反証となるデータを提示したいと思います。


2020年2月28日、シカゴでアリエル・ローマンという白人の男が黒人の警官に撃たれた。どうもシカゴでは地下鉄の車両を移るのが禁止らしいのだが、そのことで咎められ、逃げ出したところをいったんは取り押さえられた。だが、再び逃げ出し、腹と尻を撃たれた。命はとりとめた。武器は持っていなかった。


ProQuest というデータベースによれば、2/28以降、この事件に関する新しい記事は30件。


ジョージ・フロイド氏が警官に押さえつけられて死亡したのは今週の月曜。ProQuest によれば、新しい記事は1,338件。


ローマン氏の家族が募った寄付に集まったのは$1,718。一方のフロイド氏は約260万ドル。


ローマン氏は命をとりとめたのが記事/寄付金が少ない理由かもしれない。だが、4年前に警官(白人)に射殺されたダニエル・シェーバー氏(白人)の場合はどうか。約10万ドル。


同じくほぼ4年前に警官に圧死させられたトニー・ティンパ氏(白人)の場合、ProQuest で見つかる記事は30件。被害者の人種によって反応が大きく違うのがわかる。

また、ゴールドバーグ氏は、ロナルドG. フライアー・ジュニア氏という学者の論文を引いて、次のようにも論じています。


1) 黒人が警官に銃で撃たれる可能性は実際には白人より低い。2) 武器を持っていない白人を撃つ可能性は、黒人の警官の方が白人の警官より高い。


致死的ではない実力行使(蹴る、スプレー/警棒の使用など)を受ける可能性は、(受ける側の)人種によって違いがあったが、警官の人種には関係なかった(つまり、黒人の被疑者にこうした実力行使を行う可能性は、警官が白人でも黒人でも変わらなかった)。

さらに、こういうデータも紹介しています。


2018年以降、警官に殺された丸腰の黒人の数は、黒人に殺された警官の数より少ない。


警官を殺した犯人の人種に関する統計。絶対数としては白人に殺された警官の方が多いが、黒人は全人口の13%であることを考えると、割合としては黒人の方が高くなる。しかも、この統計の「白人」にはヒスパニック系も含まれる。

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