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イギリス保守党のケミ・ベイドノック平等問題担当副大臣の国会演説

少し前の話になりますが、イギリス保守党のケミ・ベイドノック (Kemi Badenoch) 平等問題担当副大臣の国会演説が話題になっていたので訳してご紹介します。




アメリカやイギリスでは「Black History Month」という黒人の歴史について考えようという月が毎年ありまして、アメリカは 2 月、イギリスは 10 月です。

ベイドノックの演説は、2020年10月20日に「Black History Month」について何人もの国会議員が議会で演説したものの中の 1 つ。


『BLM (ブラック・ライヴズ・マター) や批判的人種理論 (クリティカル・レイス・セオリー) は政治的なものであり、学校で教えるべきものではない』

『「白人の特権」を事実として教えることは、法に反している』など。


(翻訳ここから)

私たちは、議論の分かれる政治理念を、あたかも明白な事実のように教えることに反対している。共産主義についても、社会主義についても、資本主義についても、そんなことはしていない。私は、人種間の関係に関する危険なトレンドについて話したい。これは私自身にも深く関係することだ。そのトレンドとは、批判的人種理論の推進である。


これは、肌の黒さゆえに私を被害者とみなし、肌の白さゆえに白人を抑圧者とみなすイデオロギーである。はっきりといっておかなければならないことは、政府は批判的人種理論に明白に反対する立場であるということだ。


一部の学校は、反資本主義のBLMグループを公然と支援することを決定した。多くの場合、政治的中立性を保つことが法的な義務だと知っているにもかかわらずである。黒人の命はもちろん大事だ。しかし、大文字のBlack Lives Matterムーブメントは政治的であることを私たちは知っている。なぜ私が知っているかといえば、プロテストの最中に、白人のBLMプロテスターが、ダウニング・ストリートを警備する黒人の武装警官を、(注: 議長に向かって) この言葉を使うことをお許し願いたいが、「ペットのニガー」と呼んだと聞いているからだ。これが、この議会のこちら側に座っている私たち (注: 与党) がこのムーブメントを支援しない理由だ。


BLMは政治的なムーブメントだ。議会のそちら側 (野党側) に座っている皆さんも、これが完全に健全な反人種主差別組織であるというふりをするのではなく、この政治的ムーブメントが行った行為の多くを非難した方がよいのではないか。数多くの有害なものが押し進められている。私たちはそれに反対する。


白人学生に白人の特権や先祖から受け継がれた人種的な罪について教えるような教師を私たちは見たくない。はっきりと言っておきたい。批判的人種理論のこうした要素を事実として教える学校や、バランスのとれた形で反対意見を提示することなく、警察の予算削減などの党派性露わな政治意見を推進する学校は法律を破っている。

(翻訳ここまで)



ベイドノックの演説全体はこちら。上で訳した部分は下の動画の 1:55 あたりから。

www.youtube.com


ケミ・ベイドノックは、1980年にロンドンのウィンブルドンで生まれた。子供のころをナイジェリアのラゴスとアメリカで過ごす。両親は共にナイジェリア系で、父親は医者、母親は生理学教授。2015年からロンドン議会議員。2017年から庶民院議員 (エセックス州のサフロン・ウォルデン選挙区選出)。




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