WSJ紙の記事「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」を訳しました

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ミネアポリスで黒人男性が警官に圧死させられた事件に関連して、「『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話」(The Myth of Systemic Police Racism)という記事が、6月2日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のオピニオン欄に掲載されました。

www.wsj.com


書いたのはヘザー・マクドナルド氏。彼女はマンハッタン・インスティチュートという保守系シンクタンクのフェローで、『The War On Cops』(対 警察官 戦争)という著書もあります。


黒人男性を死に至らしめた警察官の責任は追及されるべきだが、黒人に対する「制度化された差別」が警察に存在するというのはまったく根拠のない話である、という主張です。


以下に翻訳しました(約2000字)。


(翻訳ここから)

『制度化されたレイシズムが警察には存在する』という作り話
文: ヘザー・マクドナルド
2020年6月2日

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2019年、1004人が警察によって射殺された。そのほとんどが武装していたか、危険な人物だった。昨年、警官によって殺された人のうち、アフリカ系アメリカ人が占める割合は約4分の1 (235人)。この割合は、2015年以来、変わっていない。警察による銃撃は、武装した容疑者や暴力的な容疑者に警官が直面する事例の数に比例するが、黒人の犠牲者の割合は、黒人の犯罪率から予想されるよりは低い。現在入手可能な最新データである2018年の数字を見てみると、特定された米国の殺人犯の53%、強盗犯の60%がアフリカ系アメリカ人である。アフリカ系アメリカ人が全人口に占める割合は13%に過ぎない。


ワシントン・ポスト紙のデータベースによると、2019年に警官が射殺した非武装の黒人は9人、非武装の白人は19人。それぞれ、2015年の38人と32人から減っている。同紙が採用する「非武装」の定義は広義のものであり、警察とのカーチェイスの間、弾を込めた銃を車内に保持していたニュージャージー州ニューアークの事件も「非武装」として扱われている。2018年、殺人の犠牲となった黒人は7,407人。昨年もほぼ同じ数だったと仮定すれば、警官に射殺された黒人犠牲者の9人が2019年に殺されたすべてのアフリカ系アメリカ人に対して占める割合は0.1%ということになる。これとは対照的に、警官が黒人男性に殺される確率は、非武装の黒人男性が警官に殺される確率の18.5倍である。


メモリアル・デイの週末(5月の最後の週末)、シカゴだけで10人のアフリカ系アメリカ人がドライブバイ・シューティング(走る車の中から相手を狙撃する犯罪)により殺された。こうした暴力が日常的に続いている。5月29日、シカゴに住む72歳の男性は、顔面に銃撃を受けて死亡した。ガンマンが12発の銃弾を住居に撃ち込んだのである。その数時間前、駐車した車の中にいたサウスサイドの19歳の女性2人が射殺された。同じ日、16歳の少年は、彼自身が所有していたナイフで刺し殺された。先週末だけで、80人のシカゴ市民がドライブバイ・シューティングで撃たれ、そのうち21人が命を落とした。被害者の大部分は黒人だった。白人とヒスパニック系を合わせたよりも、黒人が殺人で死ぬ可能性が8倍も高いのは、警官に撃たれるからではない。犯罪者による暴力がその理由だ。


警察に組織立った偏見があるという主張を揺さぶる調査結果はいくつも出ているが、その最新のものは2019年8月に発表された全米科学アカデミーの紀要である。どの人種集団であるかを問わず、警官が暴力的な容疑者に直面する機会が増えるほど、その集団に属する人が警官に射撃されて死亡する可能性も高くなる、という調査結果である。研究者たちは、「警察に銃撃されて命を落とす可能性において、反黒人の不均衡が存在するという有効な証拠は見つからない」と結論付けている。


2015年に発表されたフィラデルフィア警察に関する法務省の分析によると、白人の警官が丸腰の黒人容疑者を撃つ可能性は、黒人やヒスパニック系の警官より低い。ハーバード大の経済学者であるローランド・G・フライヤー・ジュニア (Roland G. Fryer Jr.)も、警官の銃撃において人種差別の証拠はないとしている。これとは逆の結論を指し示す証拠はすべて、犯罪率や、警察と接触する前、または接触する間の市民の行動を考慮に入れていない。


オバマが大統領だった時代、警察に組織立った偏見があるという嘘のナラティブが、警官を標的とした殺人という結果につながった。このパターンが繰り返されるのかもしれない。銃を持った容疑者を逮捕しようとするときや、数を増す暴徒に対応しようとするとき、警官は襲われ、撃たれている。警察管区や裁判所は、何の咎めも受けることなく破壊されてしまった。これにより、社会を破壊する暴力はさらにエスカレートするだろう。マイノリティが住むエリアで警官が警察活動を緩めてしまうというファーガソン効果(注1)がミネアポリス効果として生まれ変わるのであれば、基本的な治安を警官に頼っている順法精神に富む数多くのアフリカ系アメリカ人がまた犠牲者となるだろう。


ジョージ・フロイドを逮捕したミネアポリスの警官たちは、過剰な実力行使と彼の苦痛に対する無慈悲な無関心さについて、責任を問われなければならない。 警察の訓練では、緊張の段階的緩和戦略をさらに徹底的に教える必要がある。しかし、フロイドの死は、アメリカの法執行機関の正当性を貶めるものであってはならない。彼らがいなければ、私たちは混沌への道を歩み続けるからだ。


注1: 2014年にミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンという黒人男性が警官に射殺された。これにより警察への不信感が高まった結果、警察は警察活動に消極的になり、その結果として犯罪率が上がった、とする考え方。


(翻訳ここまで)


同様のテーマについてヘザー・マクドナルドが語る動画『警察はレイシストか?』も、先日たまたま翻訳しましたので、ご興味のある方はこちらからどうぞ。
togetter.com


こちらは、ミルウォーキー郡で保安官を務めたデビッド・クラーク氏の動画「警官はグッド・ガイ」。
togetter.com


また、別のテーマについて語るヘザー・マクドナルドの動画を3つご紹介します。いずれも、「多様性」の名の元に学問の自由が失われているというテーマの動画です。
togetter.com

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