伊藤/山口事件に関するデイビッド・マクニールの生焼けの記事 (アイリッシュ・タイムズ紙)

デイビッド・マクニールが伊藤/山口事件についてアイリッシュ・タイムズに書いた記事が 2019 12 22 日に公開されました。この記事のコメント欄に私は文章を投稿したのだが、それを日本語に訳してみました。

www.irishtimes.com

(ここから)

この記事は、伊藤詩織の真実の追求を一度は妨げた集団にいたジャーナリストによって書かれている。だが、彼はこの記事において、自分は女性の権利の擁護者だとばかりにアピールしている。

 

2017529日に、伊藤は司法記者クラブで記者会見を開いた。翌日、彼女は外国特派員協会 (FCCJ) で別の記者会見を開くことを希望していたが、FCCJの報道企画委員会 (PAC) は彼女の申し込みを承認しなかった。当時PACのメンバーであり、この記事を書いたデイビッド・マクニールは、週刊現代に対して、その理由を「特派員にとっては、安倍政権に影響が出る話かどうかが重要」だからだと説明している。

 

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へー、そうなんだ。大きな注目を浴びていたこのレイプ疑惑事件は、政治的な意味がなければニュースに値しないというのか? 捜査対象だった山口は、日本の主要放送局の1つであるTBSの社員であり、事件が伊藤の就職あっせんに関連して発生しているというのに。

 

この記事にもあるように、山口の逮捕状は不透明な状況の中で取り消された。左派 (野党と主要メディア) は、山口の安倍首相との親密な関係を逮捕状の取り消しに関連付けようとした。

 

だが、このナラティブにそぐわない不都合な真実が存在する。当時の最大野党だった民進党は、所属議員が国会でこの件について質問することを妨げていたのだ。質問することで、真実が明らかになる可能性が高まるだけでなく、党の政治的な利益になるにもかかわらずである。

 

ジャーナリストの上杉隆は、伊藤を個人的にサポートしてきたが、このナラティブには従わない。彼の「オプエド」というポッドキャスト番組の中で、質問を妨げた議員として、枝野幸男 (元経済産業大臣) と安住淳 (元財務大臣) の名前が挙げられている。彼らは共に民進党(当時)の議員だ。上杉は、枝野 (現在は、民進党所属だった一部の議員を中心に設立された立憲民主党の党首) と福山哲郎 (立憲民主党のナンバー2) にこの件について説明するよう何度も尋ねたが、 無視されていると述べている。

 

www.youtube.com

 

参議院議員で民進党に所属していた小西洋之も、20171025日にFCCJで行われた記者会見において、この問題について国会で質問しないでくれという働きかけが一部の野党議員からあったと認めている。  

 

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実際に安倍政権の影響力によって逮捕状が取り消されたのだとしたら、なぜ野党第一党が与党攻撃の絶好のチャンスを自ら潰してしまったのか? レイプ事件として警察が捜査していることを知りながら、なぜTBSはこの件について調査、対応、報道しなかったのか? そして、なぜ今でもそれについて知らん顔をしていることを許されているのか? 山口の雇用主であることからこの件の責任を完全には否定できず、法執行当局に影響を与える力を持つ可能性もあるTBSについては、野党、主要メディア、そしてこの記事も含め、左派はなぜダンマリを決め込むのか? 伊藤はなぜTBSの責任を問うことをしないのか? また、たくさんの性的な誇張と書き足しによってアラビアン・ナイトを創造的に翻訳したリチャード・バートン卿のように、日本をテーマとしたエロ小説が一般的に大好きな海外特派員のためのクラブ、FCCJ が、なぜ伊藤の記者会見を認めなかったのか?

 

この記事は明らかにストーリーのすべてを語っていない。(おわり)

 

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英語版はこちら↓

tarafuku10working.hatenablog.com

 

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