中国が新型コロナウイルスに関連して非常に否定的な論調で語られている - 英国のポッドキャスト番組から

ちょっと古い話になってしまうのだが、先月、新型コロナウイルス関連のポッドキャスト動画をYouTubeで見ていた。その中で、識者 (学者やジャーナリスト) が中国に対して非常に否定的な見解をあからさまに述べる動画がいくつもあったので3つほどご紹介します。


地上波や新聞などのメインストリーム・メディアでは、ここまではっきりと中国に否定的な論調が出てくることは (私の見る限り) あまりない。


まず、UnHerdという英国のオンライン・マガジンのポッドキャスト。インタビューに答えるのは、ニール・ファーガソン (Niall Ferguson) という英国出身で米国在住の歴史学者。政治的には保守。コロナウイルス感染症について英国政府に助言した公衆衛生研究者のニール・ファーガソン (Neil Ferguson) とは別人。5/20公開の動画。


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25:07 あたりから。「アメリカは終わりだとか、これからはアジアの世紀だとかいう文章が毎日のようにリリースされる。しかし、こうした記事は結論を急ぎすぎている。中国で作られたウイルスによって非常に深刻な制度上の問題が発生したが、それを見ていないからだ。今年の中国の経済成長は彼らの予想を大きく下回るだろう。こうした衝撃を受けて、安定した体制が保たれるかどうかはわからない」


次は、TRIGGERnometry。デビッド・マクウイリアムズというアイルランド人経済学者がインタビューに答えている。この人はメディアにもよく登場するので、アイルランドでは知らない人がいないと言っていいほどの有名人。政治的には中道左派と自分で言っている。5月6日公開の動画。


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動画の35分ぐらいから45分すぎぐらいまで、マクウイリアムスはサプライチェーンの一方の端を中国に置くことのリスクに欧米の国々や企業が気付いてしまった、という話をしている。


(37:43)「長期的な視点で新型コロナが中国に与える影響を考えた場合、UK、ドイツ、フランス、米国などどの国も、基本的な装備を中国に頼ることは今後はけっしてしないだろう」


最後もTRIGGERnometryから。ゲストは英国人ジャーナリストのダグラス・マレー(以下DM)。彼が中国について話しているところをざっと翻訳してみた。46:25ぐらいから。司会はコンスタンティン・キシン(KK)とフランシス・フォスター(FF)。2人とも英国のコメディアン。


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(翻訳ここから)

FF: 中国の話をしよう。コロナの件、中国というか中国共産党(CCP)はどのくらい責任を負うべきと思うか?


DM: 市場からか研究所からか、事故なのか故意なのか、どのシナリオでもCCPはその責任をとらないといけない。ウイルスが中国で発生したからだけでなく、何か月にもわたって世界を騙したからだ。そして、全体主義政権がいつもやることを行った。つまり、現地の災害を世界的なものに変えたのだ。世界経済を焼き尽くした中国の政権との関係を見直すためのとても複雑だが必要なプロセスが私たちを待っている。


KK: 賠償金が必要だと思うか?


DM: もちろん、あらゆる可能性を排除せずに検討すべきだ。私たちの同盟国や友好国はCCPにひどい扱いを受けている。中国は豪州政府をいじめている。


KK: この件はあまり知られていない。


DM: 過去にも書いたが、UKはCCPについてあまりにも考えが甘かった。おそらく金(きん)の蛇口としか見ていなかった。


この話は7年前に信頼できる筋から聞いたんだが、キャメロン首相(当時)がダライ・ラマと会談した後、CCPはUKとの新しい投資に関する貿易関係を打ち切った。キャメロンがダライ・ラマと距離を取る、二度と会わないとアナウンスし、ひどくこびへつらった謝罪を表明した後、UKの代表団が北京を訪れた。


中国代表団はテーブルの向こうから英国政府の謝罪文のコピーをUK代表団に渡し、立ち上がって読むようにと言った。で、UK代表団は言われたとおりにした。着席するとCCPの担当者は笑顔を浮かべ、本気かどうか知りたかったんだ、と言った。


KK: わお。


DM: この話を聞いたとき、私、というか英国民を代表して、それほど卑屈になるヤツがいるのかとひどく驚いたのだが、しかし、私たちは我慢することを選んだのだ。金や投資が欲しければ(金や投資が重要でないとは言わないが)、彼らのルールでプレイしなければいけないと。


ここ数週間、オーストラリア政府は同様の体験をしている。これは強調しておきたいが、UKがいま学んでいることを、彼らはUKより先に、より速いスピードで学んでいる。それは、地理的に近いことと、ここ数十年の貿易関係から。豪州を訪れたときに感じたが、一般の豪州人は、中国との関係には何かが付随してくるという事実を、英国人や米国人よりはるかに意識している。2~3週間前、豪州政府は、ウイルスがどこで発生してどう広まったかについて、独立した国際的な公式調査を行ってはどうかと示唆した。豪州政府がそう示唆した後、CCPはいつもと同じような反応を示した。豪州を脅したのだ。


在豪の中国外交官や大使は、中国は豪州の製品、牛肉、ワインの購入をやめる可能性があると言った。これは人種差別のようだと言った。ある著名な中国政府の御用記者は、「豪州は中国の靴の裏にくっついたチューインガムだ。削り落とさないといけない」とWeiboに投稿した。これは、CCP高官の典型的なものの言い方だ。


KK: それこそレイシストのように聞こえるね。


DM: おもしろいことに、ナンシー・ペロシやその仲間たちは、ウイルスがどこで発生したか言うのは人種差別なのではないかと心配していた。2月の終わりか3月のはじめになっても、連帯を示すために地元のチャイナタウンに行くことをペロシは奨励していた。フィレンチェ市長は、中国人を見つけてハグしようと市民に呼び掛けていた。レイシズムとコロナウイルスを同時に撃退するためにだ。それが、フィレンチェがどこよりも早くロックダウンに入った理由かもしれない。


ウイルスが中国から来たと言うことが人種差別かどうかを私たちが懸念しているというのに、中国は世界のあらゆる人に対して好きなだけレイシストとしてふるまう。これこそ、私たちの愚かさが現実にぶちあたった典型的な例だ。現実の中国は、レイシズムのことなどこれっぽちも気にしない。しかし、私たちが気にすることを彼らは知っている。そして、私たちについて何でも好きなことを言い、私たちの恐怖を巧みに操る。


話を戻すと、豪州は中国に製品をボイコットされようとしている。よくも中国に歯向かったな、よくもウイルスの起源について独立した国際的な調査を行うことを示唆したな。そんなことをしたらどうなるか教えてやる、というわけだ。今こそ連帯のときだ。ニュージーランドが私たちの友人で同盟国の豪州の支持を表明したことを嬉しく思う。


今こそ民主的な連帯のときだと思うし、私たちの同盟国をいじめておいて、私たちがその同盟国から距離を置くなどと思うなよ、とCCPに言うべきときだと思う。コロナウイルス騒動の後、中国についてはすべてをテーブルに載せて検討すべきだと思う。

(翻訳ここまで)

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