あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が展示中止になったことに関するNYタイムズのモトコ・リッチ記者の記事

あいちトリエンナーレの「表現の不自由展・その後」が展示中止になったことについて、ニューヨーク・タイムズ紙のモトコ・リッチ記者が記事を書いた (2019/08/05付け)。

www.nytimes.com

 

この記事は、「日本 vs 韓国」というストーリーを沿う情報を丹念に収集することで構築されている。その結果、読者が自分で考えをまとめるために必要な情報を提供することに失敗している。すなわち、この記事はミスリーディングなのだ。

 

「表現の不自由展・その後」には、慰安婦像以外にも、大きな議論を巻き起こした作品が少なくとも2つあった。1つは昭和天皇と思われる人物の写真が焼かれるシーンを含む作品であり、もう1つは第二次世界大戦で亡くなった人を侮辱しているように見える作品だ。この記事は、そのどちらにも触れていない。

 

先ごろこのトリエンナーレのアドバイザーの職を辞した東浩紀氏はこう言っている。「ぼくが観察するかぎり、今回「表現の不自由展」が展示中止に追い込まれた中心的な理由は、政治家による圧力や一部テロリストによる脅迫にあるのではなく (それも確かに存在しましたが)、天皇作品に向けられた一般市民の広範な抗議の声であります…」

 

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彼はまたこうも言っている。「では何が本質だったのか。それは「外交問題に巻き込まれたこと」と「市民への説明不足」だというのが、ぼくの考えです。慰安婦像については、政治家やメディア (海外含む) に政治的に利用されてしまいました。天皇作品については、過激な表現が多くの市民にショックを与えました」

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この問題に関する東氏のツイートはこちらで読める。

 https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/azuma

 

この「表現の不自由展・その後」の展示中止という長々と続く大騒ぎについての皮肉な点は、このトリエンナーレの芸術監督を務める津田大介氏がこれまで、左翼が「間違った」意見と感じるものを封じるという、彼らの弾圧文化の推進を声高に叫んでいた中心人物のひとりであったということである。

 

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